「炎症数値が正常の300倍」時のリアルな体の状況 森永卓郎さんの闘病姿勢に勇気をもらった

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緩和ケアで処方された痛み止め薬オキシコドン(筆者撮影)
2024年春、ジャーナリストの山田稔(65)さんに膀胱がんが発覚、肺にも転移しており、ステージ4でした。医師が語る病状説明を淡々と受け入れ、がんとの共存の道を選択した山田さんは、抗がん剤治療を経て10月に膀胱の全摘出手術を受けました。本連載(今回は第10回)では、炎症数値の急上昇や、緩和ケアについて記します。

想定外の緊急入院

季節の移ろいは早い。12月に入り、病院のエントランスホールには大きなクリスマスツリーが飾られていた。そこには「患者さんも医療チームの一員です」というメッセージが添えられている。心強いひと言である。

12月は中旬まで比較的病状が落ち着いていた。仕事の関係者とお茶を楽しんだり、吉祥寺に買い出しに行って、帰宅後に手料理を楽しむなど充実したプライベート時間を過ごすことができた。腰骨への骨転移も痛みが出るわけでもなく症状は穏やかで、抗がん剤治療も順調だった。

状況が一変したのは下旬に差し掛かるころだった。38度台後半の高熱が3日間続き、食欲もなく口にするのはりんごジュースぐらい。ぐったりしたままの寝たきり状態が続いた。

体温がやや下がったところで、通院日を迎えた。まずは採血検査を行い、医師の診察に向かう。待合室で待つのも辛く看護師さんに頼んで、診察時間まで処置室のベッドで横にならせてもらった。

30分ほどうとうとしただろうか。主治医がやって来て「今日は抗がん剤投与はやめましょう。免疫力が低下しているから。このまま入院して抗生剤を打って様子を見ましょう」と、想定外の緊急入院となったのである。

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