この10年で「初任給をグンと引き上げた」TOP50社 2014年との比較で10万円以上も増えた企業が多数

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10年前の初任給状況とは一変。10年後“勝ち組”の企業は?(写真:Graphs/PIXTA)

就活生のみなさんは、志望企業や内定先の“10年後”を予想できているだろうか。

筆者は次の4月で社会人10年目となる、2016年卒だ。現役就活生であった10年前、当社をはじめとするマスコミ・メディアの初任給は他社と比較して高水準で、就活でも人気のある業界だった。

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10年後のいま、マスコミ・メディア企業の多くは、大手総合商社に初任給を大幅に追い抜かれている。思い返せば、当時からすでに出版不況は叫ばれており、『業界地図』の業界天気予報マークは大雨だった。

しかし、ここまでの物価高とそれに追いつかない給与改善の状況を、当時予想できた就活生はいなかっただろう。

我々10年前の就活生の答え合わせ、そして現在の就活生の企業選びの判断材料として、2024年4月までの10年で、他社に先駆けて初任給を増額してきた企業を50社抽出した。

最新の『就職四季報 総合版』調査で回答のあった2024年4月の大卒初任給とその10年前2014年4月の大卒初任給を比較し、引き上げ率が大きい企業をリスト化している。

初任給上がり幅10万円超の1位企業は?

1位は大手総合商社の三菱商事。大卒総合職の初任給は20万5000円から32万5000円と10万円以上跳ね上がっている。現役就活生や若手社会人は、10年前の初任給額が信じられないくらいだろう。

7位の伊藤忠商事丸紅、13位双日、14位長瀬産業など、商社・卸売業の企業はトップ50社中12社と多くを占めている。

全体の傾向を業種別に見ると、不動産業界、海運・空運業界の引き上げ率が高水準であった一方、新聞、出版、広告、テレビ業界や人材・教育業界の引き上げ率は低水準となっている。

もし筆者が10年前、初任給や給与の高さだけを就活の軸に企業を選んでいたなら、早々に別業界に転職し、いまこのランキング記事を執筆してはいなかっただろう。

就活生のみなさんは、企業や社会が年々変わっていくことを前提に、「一番大切にしたい軸は何か」「状況が変わってもその軸は守られるか」をしっかり吟味しながら企業選びをしてほしい。そしてその答え合わせとして、10年後また『就職四季報』記事を見にきていただきたい。

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