MIXI、「競輪チャリロト」不正発覚で再燃する不安 再び露呈したガバナンス不全、過去の教訓生きず
MIXIの現在の稼ぎ頭は、2013年にリリースされたスマホゲーム「モンスターストライク」だ。ただ、国内のスマホゲーム市場は頭打ちで、同社のスマホゲーム関連事業の売上高も、ピークの半分ほどまで減少している。
「モンスト一本足」からの脱却に向けて、MIXIが次の柱にすべく投資を進めてきたのがスポーツ事業だ。2019年2月にチャリ・ロトを完全子会社化したほか、2020年6月からはスポーツベッティングサービス「TIPSTAR」の運営も開始。傘下にはプロバスケチーム「千葉ジェッツ」やプロサッカークラブ「FC東京」を持つ。
スポーツ事業の2024年3月期売上高は329億円と、スマホゲーム関連事業(988億円)に次ぐ規模にまで拡大している。セグメント損益はオーストラリアのベッティング事業の先行費用などにより赤字が続くが、その中でもチャリ・ロトは安定的に成長を続け、同期の売上高は174億円、経常利益は18億円に達した。
買収前から曰くつきの会社だった
今回、不正に関与した取引先は、上田氏と前・営業本部長の個人的なつながりを契機に取引を開始した個人事業主だった。
決裁プロセスの最終承認権者でもある2人がこれらの取引先について独占的に対応しており、取引の具体的な中身はブラックボックス化していた。一部は社内ルールで定められた相見積が実施されないまま決裁プロセスが進められたほか、契約書が締結されなかったり、取引の実態が契約書の内容と異なったりするケースもあった。
2006年に設立されたチャリ・ロトは、実は買収前から曰くつきの会社でもあった。
2007年に同社を買収したテラネッツ(現クラウドゲート)では、2006年から2009年まで経営陣の共謀により不適切な会計処理が行われていたことが、2011年に発覚している。当時の第三者調査委員会の報告書によると、一連の不正においてチャリ・ロトを介した循環取引も行われ、取締役だった上田氏も協力・関与していたことが認められている。
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