いすゞ「エルフミオ」物流業界の救世主になるか 普通免許、AT限定で乗れるトラックの必要性

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エルフミオの外観
エルフミオの外観(筆者撮影)

エルフミオはAT限定普通免許(GVW3.5t未満/最大積載量2.0t未満/乗車定員10人以下)で運転ができるわけだが、なぜ積載量が2.0t未満に限定される小型トラックをいすゞは発売したのか?

主な理由は次の2点
①:少子高齢化による自営運輸業者の事業継続問題への対応
②:「物流業2024年問題」によるドライバー不足問題への対応

言うまでもなく運輸・物流業は日本経済を下支えしている大切なライフラインである。途絶えさせてはならないし、人的不足によるスタックも避けなければならない。こうした課題に対していすゞは、普通免許、しかもAT限定免許で乗れる小型トラックの発売をきっかけに、運輸・物流業に従事できるであろうドライバーの裾野を増やし、社会に貢献することを目指した。

エルフミオ公道試乗インプレッション

正面から見たエルフミオ
正面から見たエルフミオ(筆者撮影)

そのエルフミオに公道(一般道路と都市高速道路)で試乗した。試乗車は「平ボディのシングルキャブでフルフラットロー、後輪ダブルタイヤ仕様」という販売の主軸となるグレード。最大積載量は1250kgで、車両/積荷/乗員を含めたGVW(車両総重量)は3425kg。街中を走る小型トラックの多くが最大積載量の半分ほどの積荷であることから、今回は約500kgのバラストを積載して試乗した。

なお、地面から荷台までの高さは「フルフラットローの後輪ダブルタイヤ」仕様なので830mm。これが「フラットロー」なら785mmとなり45mmも下がる。一般的な国産乗用系SUVの運転席におけるヒップポイント高(地面からお尻まで)が700~750mm程度なので、いかに低いか想像できるはずだ。

後ろから見たエルフミオの外観
後ろから見たエルフミオの外観(筆者撮影)

搭載エンジンは「RZ4E」型を名乗る直列4気筒1898cc直噴ターボで、最高出力120PS(3000~3200rpm)、最大トルク320N・m(1600~2000rpm)を発揮する。ボア×ストローク比は1.18のロングストローク型。

現時点、4×2の後輪駆動方式のみだが、市場からの要望を踏まえ4×4の全輪駆動(4WD)方式も開発を進めているようだ。トランスミッションは流体トルクコンバーター方式の6速ATのみ。燃費数値はWLTC総合値で10.8km/L(市街地9.1km/L、郊外11.3km/L、高速道路11.5km/L)。実燃費はかなり良く、試乗途中に確認した車載の燃費計では、10.6km/Lを表示していた。

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