右側からアクセル、ブレーキ、そしてフットレストと並び、アクセルペダルとフットレストは正対するステアリング中央位置からほぼ左右均等に配置されている。ここも乗用車では当たり前だが、キャブオーバー型キャビンではステアリングシャフトとブレーキペダルが干渉し、アクセルペダル側にブレーキペダルがオフセット、つまりアクセルとブレーキのペダルがいずれも右側に寄ってしまうことが多い。
厳密にはエルフミオ(エルフ)も右側に若干オフセットされているものの、競合車と比較するとオフセット量は少なく、さらに可能な限りブレーキペダルの面積を大きくしつつ、さらに両ペダルの高さや取り付け角度に差をつけ、踏み間違いを抑える設計思想を採り入れている。こうした人に寄り添うHMI(Human Machine Interface)設計思想はいすゞが得意とする分野だが、じつは現行エルフの車両計画の時点でエルフミオへの発展も考慮されていたという。改めて長期的な視野の広さに感心した。
良い意味で予想を裏切る、余裕のある発進性能
ATセレクターをDレンジに入れゆっくりアクセルペダルを踏み込む。今回は積荷の荷崩れ抑制を想定して、加速度は0.15G程度に抑えて発進する。前述のように今回の試乗は約500kgのバラストを積荷として積載した状態での走行なのでGVWは約2.6tとフルスペックBEVのSUVモデル並に重い。
最新テクノロジーが投入されたRZ4E型とはいえ排気量は1898ccだ。スペックにしても120PS(3000~3200rpm)だから期待はしていなかった。しかし、6速ATのトルクコンバーターによるステーター効果を上手く引き出し、驚くほどスムースな発進加速を見せつけた。
ご存じのとおり加速力はエンジントルクが大きく左右する。そのため、エルフミオ用のRZ4E型では最大トルクを320N・mに設定しながら、1600~2000rpmという小型トラックの常用域で絞り出す特性にした。これはギヤ段にして2~6速、速度にして約20~80km/h超にあたる。
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