創業22年で「過去最高の売上」ラーメン店主の勝因 「好き」をとことん突き詰める、渡辺樹庵の流儀

✎ 1〜 ✎ 81 ✎ 82 ✎ 83 ✎ 84
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その後、森住さんが「渡なべ」を訪れ、樹庵さんのラーメンを食べることになる。そこで樹庵さんはとんでもないことを思いつく。それは、当時の「ちゃぶ屋」の味を「渡なべ」の限定ラーメンで出せないかということだった。

「『ちゃぶ屋』の味を作りたいので、当時使っていた食材などヒントをいただけないかと森住さんにお願いしたところ、『昔のレシピを探してみるよ』と言われ、1996年当時の完全レシピを見せてくれたんです。『樹庵が作るなら完璧なものを出してほしい』という森住さんの思いを受け取りました」(樹庵さん)

もちろん森住さんの方が先輩だが、樹庵さんもれっきとしたベテランのラーメン職人。

当時はラーメン戦争のど真ん中を走っていた2人が、十数年の時を経て、遠かった距離が一気に近づいたと樹庵さんは感じたという。気づいたらお互いを認め合う関係になっていたのだ。

こうして、「ちゃぶ屋」の当時のラーメンを再現するまでのストーリーをYouTubeにアップし続け、これが12月の限定ラーメンとして発売されたのだ。

森住さんのYouTube登場から追い続けたラーメンファンがこぞってこの限定ラーメンを食べに来た。醤油と味噌を3回ずつ食べに来た限定ファンもいたという。

ラーメンYouTuberとしても精力的に発信

樹庵さんは今や毎日YouTubeをアップし続けるラーメンYouTuberだ。

「コロナの時期に暇だったから始めたYouTubeですが、今や自分にはなくてはならないものになりました。楽しくてやっているだけで今も無目的ですが、お店の集客にここまで影響が出るとは思っていませんでした。

もともと自分は『怖い』とか『冷たい』というイメージを持たれていたのですが、YouTubeを見て印象が変わったとよく言われます。

またYouTubeで初めて自分のことを知ったという人も多く、これで新たなお客さんの獲得にもつながっています」(樹庵さん)

大岡山にある「なるめん」の店主・道理さんと(画像:渡辺樹庵のここだけの話/YouTube)
限定ラーメンについてもYouTubeで語っている(画像:渡辺樹庵のここだけの話/YouTube)
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事