「『渡なべ』は創業からも長いですし、皆さんに知ってもらえているラーメン屋ではあると思いますが、いまだに初めて食べに来てくれる人というのは必ずいます。
ここに来て売り上げが伸びていることを考えると、まだ『渡なべ』は売れてないのかもしれないと思いました。伸びしろはまだあるのかもしれないなと思うんです」(樹庵さん)
伝説の一杯を再現、裏であった熱いストーリー
2024年12月は、伝説のお店「ちゃぶ屋」の1996年の味を再現した「ちゃぶ屋1996」という限定ラーメンを提供した。
これが空前の大ヒットとなり、「渡なべ」は創業から22年経った昨年12月に過去最高の売り上げを叩き出した。最高で1日135杯を記録し、12月5日から31日の27日間、ペースを落とすことなく売れ続けた。
このラーメンには実はストーリーがあった。
樹庵さんは昨年8月に千葉県大網白里市にある「古民家ヌードゥル 黒揚羽森住」というラーメン店に食べに行った。このお店はもともと「ちゃぶ屋」を開いていた店主・森住康二さんが営むお店である。
森住さんはフレンチのコックとして10年間修業後、ラーメンの世界に転身し29歳で独立し、1996年に東京都荒川区新三河島に「柳麺 ちゃぶ屋」を開業した。2002年には「TVチャンピオン」のラーメン職人選手権で優勝。海外では『ミシュランガイド』の一つ星も獲得したこともあるレジェンドオブレジェンドである。
「黒揚羽森住」のお店の世界観と森住さんのラーメンに感動した樹庵さんは、家に帰って森住さんに自分のYouTubeにどうしても出演してほしいと思い、ダメ元でオファーをした。
すると森住さんは快諾してくれ、樹庵さんのYouTubeで森住さんのインタビューが配信された。ラーメン界のレジェンドである森住さんのインタビューが配信されたことで、筆者も含めたラーメンファンは皆驚いた。
20年ぐらい前はよくテレビに出ていた森住さんだったが、今の森住さんのラーメン観や当時の話が聞けたことは大変貴重だった。
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