リノベーション・オブ・ザ・イヤーに見る「最前線」 グランプリのキーワードは「循環型リノベ」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

●ディスカバリング・リノベーション賞

【埋もれた魅力再発見!「住み育てた家」の美しさ】 G-FLAT株式会社

築46年、RC造の重厚さと経年変化した内装材の良さに魅力を感じて、活かせる部分はそのまま受け継いでいるそう
築46年、RC造の重厚さと経年変化した内装材の良さに魅力を感じて、活かせる部分はそのまま受け継いでいるそう(写真提供/G-FLAT株式会社)
「ヴィンテージ感ある風情に一目惚れ」。一見平屋のように見える個性的な外観
「ヴィンテージ感ある風情に一目惚れ」。一見平屋のように見える個性的な外観(写真提供/G-FLAT株式会社)

既存を活かす循環型リノベ、次世代に繋ぐ持続性リノベ

今回のリノベーション・オブ・ザ・イヤーでは、持続可能な社会をという世界的な意識変革が年々進む中、「既存を活かす」「良きものを次世代に繋ぐ」というキーワードがさまざまな受賞作品で語られていたのが、深く印象に残りました。

資源の循環利用を重視して最小限の資源投入量で最大限の豊かさを得る「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」への取り組みも、リノベーション業界で具体化されつつあります。

昨年の記事「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2023」で、「シビアな時代にありながらも、リノベ業界は創意工夫や独自のコスト管理等で、建設費を抑えることがより必要となるでしょう。その工夫の一環として既存建築物や建材の再活用が上げられます」と記した記憶がありますが、今年の作品ではそうしたコスト管理が当たり前のこととして対策されていました。

建材費や人件費の高騰というどうにもならない荒波を受け、循環型リノベが推し進められていく状況を見て、まさに今が時代の転換点であると感じます。

ただし、リノベ業界では、「安いから」「もったいないから」だけで建材の再活用を進めているわけではなく、既存建物や建材へのリスペクトあっての再利用という点も感じ取ることができました。

プレイヤーズチョイス・アワードを受賞した斉藤工匠店さんが語った言葉「私は地方で小さな工務店をやっておりますが、最初から最後まで丁寧に物事にあたるのをモットーとしています。ストック活用においても丁寧に進めていくことに尽力したい」という熱い思いをうかがい、「やはりリノベは人が生み出すものなのだな」という温かい思いが心に残りました。

リノベ作品は、暮らす人が心地よく幸せに過ごせるよう、さまざまな手法やアイデアが盛り込まれた究極の一点もの。2025年にはどんな新たなタイプの作品が登場するのか、今から楽しみです。

赤絨毯に盛装が決まっている受賞者のみなさん。2025年も素晴らしい作品を期待しています!
赤絨毯に盛装が決まっている受賞者のみなさん。2025年も素晴らしい作品を期待しています!(写真提供/リノベーション協議会)
●取材協力
リノベーション協議会「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024」

文/金井直子

SUUMOジャーナルの関連記事
50代からの中古リノベは「小さく広くシンプルに」。中古マンション約61平米を2LKDから1LDKへ インスタグラマーmiyuさん
豪雪地帯の山奥に「奇跡の集落」なぜ誕生? 若い移住者あつまる背景、ドイツ人建築家の古民家再生と集落の人々の”よそ者”への温かなまなざし
築100年超の実家をリノベで次世代に残す。耐震化・断熱&減築で古民家でも「冬は床暖房のみ・夏はエアコン稼働1台で快適」 奈良

『SUUMOジャーナル』編集部

『SUUMOジャーナル』は、リクルート住まいカンパニー運営の不動産・住宅情報サイト『SUUMO』が提供する、住まいや暮らしに関するコラム・ニュースサイトです。

魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話。それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など、住まいと暮らしの“いま”と“これから”についてお伝えし、自分にあう住まいって? を見つけるキッカケになる記事を提供しています。
 

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事