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プーチンのロシアは正教を通じた神権国家だ 佐藤優の情報術・ソ連クーデター事件簿89

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ロシアのプーチン大統領は、レーニンのような一元論者ではない。ロシア社会は多様であるべきだと考える。議会においても複数政党制をとる。しかし、すべての政党や社会団体が自発的にプーチン氏を支持しなくてはならない。なぜなら国民の直接選挙で選ばれた大統領は、政党や社会団体の対立や差異を超越した、国家と全国民の代表だからだ。

プーチン氏にとって重要なのは、国民や政党や社会団体が「自発的」に大統領を支持することだ。これはロシア版「翼賛の思想」である。ここで翼賛の概念を整理しておく必要がある。翼賛は強制ではない。

よく‐さん 【翼賛】
解説・用例
〔名〕
(1)力をそえてたすけること。補佐すること。扶翼・賛助すること。
(中略)
(2)特に、天皇を補佐して政治を行なうこと(『日本国語大辞典』小学館、ジャパンナレッジ版)

天皇を自発的に助けることが翼賛であり、翼賛国家とは国民のボランティアで成り立つ国家なのだ。日本の大政翼賛会によく似たシステムをプーチン氏は21世紀のロシアでつくることに成功した。

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