ベルジャーエフは、ソ連体制下のロシアにこそ真の自由があるという逆説的な認識を示す。
ソヴェト共産主義のロシアには真の自由がある。明日はロシアの生活を変えるかもしれず、全世界の生活さえ変えるかもしれないから。いっさいを造り直すかもしれないから。ある一日は決して他の一日と同じでない。すべての青年は世界の建設者だと自分を思っている。
世界が可塑的(プラスチツク)になって、そこから新しい形のものが続々と作られる。他の何よりも青年に魔法のようにはたらきかけたのはこのことであった。誰しもが世界大の意義ある共同の仕事の分担者であると自覚している。 (ニコライ・ベルジャーエフ〈田中西二郎/新谷敬三郎訳〉『ベルジャーエフ著作集 第7巻 ロシア共産主義の歴史と意味』白水社、1960年、206ページ)
ソ連国民が信じた自由と役割
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