世界観の全体主義というボリシェビキ(ソ連共産党の前身)の特徴は、カトリック教会に似ている。カトリック教会は表面上はソフトであるが、組織論の基本は、自分たちが唯一の教会であるからプロテスタント教会や正教会は悔い改めて本来の教会に復帰せよ、という立場だ。
ロシアでは、レーニン、スターリンらのボリシェビキ(多数派)と対立したメンシェビキ(少数派)もマルクス主義者だった。レーニンらが所属していたロシア社会民主労働党で多数を占めたのはメンシェビキだ。ボリシェビキは中央委員会での多数派だ。
レーニンがボリシェビキと自称したことは賢明だった。この党に所属する労働者からすれば、「ボリシェ」(少し多く)と言うとウォッカをおまけして注いでくれる状況を思い浮かべるからだ。逆に「メニシェ」(少し少なく)と言うとウォッカをちょろまかされるようなニュアンスがある。レーニンは言葉遣いが天才的に上手だった。
プロレタリアート独裁の重要性
ベルジャーエフは、レーニンの特徴である世界観の全体主義についてこう説明する。
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