「歯石取りは痛い」と疑わない人が知らない真実 最後に「すっぱいもの」を食べる人は要注意

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患者さんは歯がスベスベになって嬉しいかもしれませんが、歯の健康という面では問題です。削られたセメント質は再生されないので、何度も行ううちに歯はボロボロになっていきます。

削ったところからバイキンが入ってむし歯になることもあれば、歯の神経が損傷し、やがて死んでしまうことにもなります。やりすぎると、モロくなった歯が折れたりすることもあります。

つまり、歯石取りで「痛い」と感じるなら、その歯石取りは歯によいどころか、歯の寿命を短くしているのです。

痛くない、新しい歯石取りGBT

現在、世界で主流となっている歯石取りは、超音波を使う方法です。超音波による微細振動で歯石を剥がし、粉砕していきます。ただし、使用時に出る独特の音と振動を不快に感じる人もいます。

そこで私のところでは、スイスのEMS社が推奨するGBT(Guided Biofilm Therapy:誘導的バイオフィルム療法)というシステムを採用しています。

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GBTではプラークだけでなく歯石も除去します。ここでGBTの一連の流れをご紹介しましょう。

まずは染め出し液を使って、歯の染め出しを行います。歯に付いたプラークが可視化されるので、ここにジェット水流で特殊なパウダーを歯に吹き付けて、プラークを除去していきます。これを「エアフロー」といいます。これにより歯周ポケットの奥4ミリまで、プラークを取り除けます。

この方法なら患者さんはストレスがまったくなく、施術中に寝てしまう人もいるほどです。ただし、長期間放置された歯石は硬すぎて除去できないので、超音波で取り除きます。

逆にいえば、定期的にGBTを行っていれば、エアフローですべて取り除けます。プラークが歯石になる前に取り除けば、痛みもストレスも感じずにすむのです。

前田 一義 歯科医師、日本歯周病学会認定医

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まえだ かずよし / Kazuyoshi Maeda

2003年日本歯科大学を卒業。仁愛歯科クリニック副院長を経て、現在、医療法人社団康歯会理事長、前田歯科医院院長をつとめる。歯周病治療の第一人者・岡本浩氏、竹内泰子氏に師事。歯科世界最高峰であるスウェーデンのイエテボリ大学をはじめ、海外での研修を定期的に受講して最新の治療法を学び、世界標準の歯科治療に精通している。

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