自分が発達障害?不登校の娘を責めた母の気づき 「親子関係の影響では?」思春期外来で刺さった医師の言葉

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周囲の大人に対しても、幻滅することがありました。

「父のことはいまだに尊敬できません。まともに仕事もせずに、祖父母のお金を使って生きていました。祖母も学校のことはちゃんとしてくれましたが、裏で人の悪口を言うんです。家に人が訪ねて来て、その人が帰ると『あの人はね』と何か一言悪口を添える。子ども心に人には表と裏があることを感じ取っていました」

ご両親の離婚から始まった昭子さんの幼少期は心に複雑な影を落としたようです。

そんな話の中で出たのが冒頭の言葉、「私は自分のことを軽蔑している」です。

「子どもの頃のことを引きずっているのかどうかはわかりませんが、とにかく自分のことが信用できないんです。これは自分には難しいと思ったことは、できなくてもいいやと自分をごまかすのですが、人にはまるでできているかのように見せてしまう。見栄っ張りなんです」

昭子さんは強い言葉で自分を否定します。私は話題を変えて、娘さんが不登校になった頃の様子を聞いてみました。

紆余曲折しながらも自分の道を進む娘

「心因性のものだと思いますが、中学1年生の2学期に『歩けないくらい足が痛い』と言い出したんです。学校を休み始めてからはインターネットでゲーム三昧。家からはほとんど出ませんでした」

しかし、絵を描くのが好きな娘さんは、デザイン系の高校に進学。調子が悪くなると3、4日続けて休むことはあるものの、補習を受けてなんとか進級しました。

アルバイトでは、人間関係につまずいては辞め、しばらくしてまた再開するというパターンを繰り返しつつも、娘さんなりに頑張っているようです。そんな娘さんに昭子さんはどのように接していたのでしょうか。

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