「なぜ嘘をついてはいけない?」ローマ偉人の教え クインティリアーヌスと三島由紀夫に通じる思想
嘘つきのすすめ?
mendacem memorem esse oportet「嘘つきは記憶が良くなければならない」
ヤマザキ:この言葉は、三島由紀夫が『不道徳教育講座』という本に書いていた一節に通じるものがあります。彼は確か、本当に頭がいい人じゃないと嘘はつき通せないと書いていたはずです。ばれない嘘、破綻のない嘘はメンテナンスが難しい。
確かに、真実のほうが想像力を駆使しなくていい分、よっぽど簡単です。そもそも嘘というのは想像力によって作られるものですからね。三島の捉え方はこのラテン語に通じるところがあるように感じました。
ラテン語さん:クインティリアーヌスという修辞学者の『弁論家の教育』という著作に出てくる文章です。
ヤマザキ:弁論というのは、実はハッタリが大事だったりするわけです。あることないことを、説得力を交えて力強く説く。だから聞いてる人も半信半疑なんだけど、それをいかに面白く伝えられるかどうかが評価の基準となる。

















