立川談志「殺しはしませんから」弟子の親に説く訳 「伝説の落語家に弟子入り」とはこういうことだ
「殺しはしませんから」弟子の親に告げた談志の意図
「落語家に弟子入りする」
皆さまはこの行為をどのようにイメージしていらっしゃいますでしょうか。
私が弟子入りしたとき、よく聞かれたのが「給料はどのくらい出るの?」でした。
このような質問をしてくる人はおおむね一般企業の、しかも割と安定したポジションにいた人でした。私は毎回必ずこう答えました。
「いえ、給料はいっさい出ません。基本無給です」
そう答えた瞬間、相手の顔色がいっきにがらりと変わったものです。
「え? なんで? じゃあどうやって生活するの?」
ここで、この人は初めて落語家の大変さと、師弟関係を含む周辺の「異常さ」に気づく格好となります。
そうなんです。「落語家に弟子入りする」という行為は、よほどマニアックに落語が好きでもないかぎり、「変質的・異常的行為」と言っても過言ではないのです。
「会社の上司・部下」や一般社会の「先輩・後輩」という認識から激しく逸脱するのが、「師弟関係」なのです。



















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