このブラックジャケットとオールバックの髪型で登場するや、「終わらせよう」という掴みのフレーズ。まさに「誰が、何を言うか」というコミュニケーションのルールから、この言葉に、ラスボスのような印象を私は受けました。
また臆測になりますが、優勝コンビが「翌年以降出場しない」という不文律を超え、出場した自分を「ヒール役に仕立てる戦略だったのでは」とすら思えるのです。
つまり本番に至る前から、今大会における自身のポジショニングを考え、その「コンセプトを可視化するツール」として衣装を捉えていたこと。この考え方こそ、我々ビジネスマンにも役立つ視点だと思うのです。
「何者であるか」を2秒で表現する印象術
ビジネスシーンの身だしなみで「清潔感の大切さ」は語られますが、パブリックイメージについて触れられる機会は多くありません。パブリックイメージとは、暗黙の了解として誰もが抱く「イメージの集合」を言います。くるまさんの場合、「ヒール役」のパブリックイメージを、肩の反り返ったブラックジャケットとオールバックの髪型で表現し、自分の見られ方をコントロールしていました。
同様にビジネスマンも、「何者であるか」を2秒で表現する手段としてパブリックイメージを活用できるのです。とくに業界をまたいだ転職をするとき、新たな会社でプロフェッショナルな雰囲気が身に付くのは、それなりの実務経験を積んだ後になるはず。ですがそのイメージを先取りすることができたら、結果的に「仕事のパフォーマンスも向上する」のではないでしょうか。
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