「介護は子がするもの」と主張する親への関わり方 年末年始に親の意向を聞く際のトラブル回避術

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今は介護保険制度によって、介護は家族だけがするものではなく、外部の専門職の方の手を借りられるようになっていますが、同制度が始まったのは2000年と、実はそんなに昔のことではないのです。

そういうこともあり、「介護=家族がするもの」という昔の認識がいまだに抜けない人もいます。女性の父親もしかりで、「自分の面倒をみるのは家族」という主張を繰り広げたといいます。

女性は父親に「今は介護保険制度があって、プロの手を借りられる」「姉が仕事を辞めて、介護をするなんて現実的じゃない」などと話したそうですが、父親は「家に外部の人間は入れない」「外部の人間は信用できない」の一点張り。

女性は「父親と会話が成立しない」と、ほとほと弱っている様子でした。

「望み」なのか「ワガママ」なのか

人生の締めくくりを考えるとき、本人の望みはもちろん大事にしたいものですが、できること、できないことがあります。ここで多くの方が迷うのは、親が話す意向が「望み」なのか、「単なるワガママ」なのかという点かもしれません。

例えば、先ほどのように親から「介護のために仕事を辞めてくれ」と言われた場合。

受け取る子ども側が「それはムリ!」と思えば、それは親のワガママでしかありません。実際問題として、親の希望を叶えるために、自分の気持ちを押し殺して介護離職するなど、周りが犠牲になるのは違うと思います。

ただし、高齢の親をみている筆者にも心当たりがありますが、こういうワガママや無理難題が飛び出してきたときに、頭にきて、やみくもに反論してはダメです。

まずはなるべく感情をコントロールして、穏やかな口調で話すように努めること。「できるわけがないでしょ!」と突き放すのではなく、まずは一旦受け止めて、「そういう考え方なのね」と返したほうが無難です。

答えをすぐに出す必要はありません。冷静に考えたうえで、タイミングを見計らって、できること、できないことを伝えるようにしましょう。これが1つめのポイントです。

もう1つのポイントは、「きっと親はこう考えるだろうな」という期待感を持って話を聞かないことです。

いくら親子といえども別人です。しかも離れて暮らしている期間が長ければ長いほど、お互いの理解度は下がります。そこを念頭に置いて話を切り出すといいと思います。

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