M-1歴代王者でもっとも"すごい漫才師"は誰か? ノンスタ石田×ギャロップ林の"同期対談"より
石田:だから今回の本では、俺なりに1回ピリオドを打ったんよ。今まで感じてきたことをここに集約して、「いったん、これは過去のもの」って位置づけたかった。それで、ここから新しい笑いも取り入れていきたいなって思ってる。
たとえば10年後とかに、この本を読み返して、答え合わせができるようにしたい。
林:「全部間違ってましたー」って?
石田:そう。「全部間違えてました!」っていう可能性もある。そのときは(カバーの写真みたいに)こんな凛々しい顔しないで、「ごめんなさい」って謝るやろな(笑)。
歴代のM-1チャンピオンで「すごい」人は?
林:俺は石田の本を読んで、やっぱりちょっと上の世代をめっちゃリスペクトしてるんやろなって思うわ。チュート(チュートリアル)さん、ブラマヨ(ブラックマヨネーズ)さん、フット(フットボールアワー)さんとか。
石田:歴代のM-1チャンピオンで、「この人はすごい」ってうなったのは誰?
林:ある雑誌の取材で3組挙げたけど、ほんまは1組にしてほしかったわ。3組やと、誰を外すかで揉めるやん。結婚式誰を呼ぶのか問題に似てる。
俺はブラマヨさん、笑い飯さん、パンク(パンクブーブー)さんを挙げたけど、中川家さんもそうやし、みんなすごいからな。
でも、戦いとして一番すごかったのは2005年かな。笑い飯さんがすごかったと思うわ。哲夫さんに「(2005年M-1の)ハッピーバースデーのネタがめっちゃ好きです!」って言ったら、「ああ、あれな……」って歯切れ悪く返されたことあったわ。
石田:歯切れ悪いんかい。でも、あのネタめちゃくちゃいいと思うけどな。
林:笑い飯さんのネタって、2人でやり合うから独特やけど、もし1人がボケて1人が突っ込むってスタイルやったら結構オーソドックスな入りが多いよね。
そのなかでも「ハッピーバースデー」は、一番意味があることをやり始めてるネタな気がする。共感性の高い入り方をしてて、ほんまに理由があってやってる感じがする。
石田:そうやな。笑い飯さんって毎年M-1に出てたから、あらためて過去のM-1を見たときに、笑い飯さんのマイナーチェンジをちゃんと見てほしいよな。テンポ感とか、やり口とか。