奈良県「K-POP無料ライブ」批判への強烈な違和感 自治体のことは自治体で決めればいいのだが…

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ライブ開催にかかる費用は、県内で過去に開催された博覧会の収益からなる基金を活用する方針で、「税金ではない事業収益金が主としてあてられる」としている。

奈良県民の声を聞くべき

自治体のことは自治体で決めるというのが原則であると思うし、自県で稼いだお金の使い道は自県で決めればよい。聞くべきなのは奈良県民の声であり、外部の人の意見に過剰に惑わされる必要もないだろう。

2010年代以降、テレビで韓国ドラマが放映されたり、K-POPアーティストが出演したりすると、「韓国のゴリ推し」という批判が起きるようになった。2011年にはフジテレビに対する抗議デモや、同局のスポンサーの1つであった花王に対する不買運動も起こった。

多くの批判とは裏腹に、テレビ局が韓国コンテンツに頼るのは、「低コストで数字(視聴率)が取れるから」というシンプルな理由からで、SNSで語られているような、政治的な意図もなければ、陰謀もない。

現在は、韓国の芸能事務所に日本人タレントも所属するようになっているし、そこから多国籍のグループも生まれている。韓国は物価も高騰しているが、移動に関わる費用や出演料も鑑みると、「国際交流イベント」として費用対効果は悪くはない可能性も十分に考えられる。

本当に経費が有効に使われているのか、かけた費用に対して十分な効果を上げているかの検証はこれからの課題だが、SNSの声やメディア報道に流されることなく進めてもらいたいと願っている。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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