「余命1年」治療第2弾がん免疫療法のリアルな効果 副作用は軽く、旅行に行けるほど体調良好だったが…

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縮小

まだまだ暑い日が続いていたが、暦はすっかり秋になっていた。9月30日、病院で血液検査とCT撮影を行った。結果は、残念なものだった。前回(7月)よりも肺の腫瘍が、わずかではあるが大きくなっていたのだ。期待して臨んだ「がん免疫療法」だったが、効果は見られなかった。

治療の第1弾である全身化学療法「GCarbo療法」では、3カ月で腫瘍は明らかに縮小したのだが…(筆者撮影)

医師にも尋ねたが、なぜ効かなかったのはよくわからない。個人差や症状によるのだろう。ここが医学、医療の難しいところである。過ぎ去った夏の日々を思い返しても、体調は良く、いろんなところに出かけ、何事もなく過ごせてきた。それだけに今回の結果は意外、想定外だった。

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ホップ、ステップ、ジャンプで腫瘍の大幅な縮小を目指そうと思っていただけに、ブレーキがかかってしまい悔しい。また最初からやり直しだ。

医師と相談のうえ、10月からは第3弾の抗がん剤治療に進むことにした。パドセブという抗体と薬物(微小管阻害薬)がリンカーという部分でつながった「抗体薬物複合体(ADC)」と呼ばれる新しいタイプの治療薬で、2021年9月に「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」に対する新たな治療として保険適用となった。いよいよ“最終兵器”の登場である。

抗がん剤の適度な投与用量は?

抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬などの点滴時における用量(投与量)はいったいどうなっているのだろうか。主治医がこの情報もぜひ書いたほうがいいとアドバイスしてくれ、その情報を送ってくれたのでご紹介する。

①GCarbo療法

カルボプラチン:腎機能に応じて投与量変更。さまざまな計算方法がある。

ゲムシタビン:体表面積(BSA)に応じて投与量変更。1平方メートル当たり1000mg。例えば身長175cm、体重65kgの場合だと約1.79平方メートル(デュポア式)となり、投与量は1790mlとなる。私の場合はBSAが約1.7平方メートルのため1700mgだった。

②アベルマブ療法

バベンチオ:体重に応じて投与量変更(10mg/kg)。バベンチオ投与時の体重は54kgまで減っていたので、1回あたりの投与量は540mgだった。

③エンホルツマブ ベドチン療法

パドセブ:体重に応じて投与量変更(1.25mg/kg)。体重54kgであれば67.5mgとなる。

※治療を続けているうちに体重の変化(減少)がみられるので、それに合わせる必要があるということだ。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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