遺伝子変異のタイプに特化した薬の開発が進んでいる。
「薬がない」。こんな言葉が医療現場で当たり前のように聞かれるようになって久しい。『週刊東洋経済』の10月10日発売号(10月14日号)は「薬クライシス」を特集。供給不安の深層を製薬メーカーと薬局の両方から浮き彫りにします。
世界で最も罹患(りかん)数の多いがんは、乳がんだ。日本でも女性の罹患数の第1位となっている。食事の欧米化や、出産数減少で女性ホルモンにさらされる時間が長期化したことなど、さまざまな社会環境の変化によってこの20年、患者数が増え続けている。
その乳がんの治療が、2019年に第一三共が開発した抗がん薬「エンハーツ」によって大きく変化している。乳がん専門医からの評価は高く、「高い効果が期待できるうえに、ここまで幅広い患者に使える薬は多くない。乳がん治療のゲームチェンジャーといえる」(聖路加国際病院乳腺外科の木村優里医師)との声がある。
エンハーツは薬物療法の1つ
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