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コロナワクチン「リスク情報開示」を渋る厚労省 副反応疑いで亡くなった人の救済は遅れている

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リスクを恩恵が上回る──。国の説明をどう信用したらいいのか。

マウンドに献花する中日の選手たち
木下雄介投手の追悼試合でマウンドに献花する中日の選手たち(写真:共同)

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2021年8月3日、愛知県豊明市の藤田医科大学病院で、プロ野球中日ドラゴンズのリリーフ投手だった木下雄介さんが亡くなった。享年27。主治医たちは新型コロナワクチン接種と死亡の因果関係について「関連あり」と厚生労働省に報告する。その決め手は「心筋炎」だった。

雄介さんはモデルナのm(メッセンジャー)RNAワクチンの初回接種から8日後、中日の練習場で筋力トレーニング中に倒れ、心肺停止状態に陥った。救急搬送され、懸命な治療がひと月近く続けられたが、多臓器不全で逝く。病理解剖の結果、劇症型心筋炎の発症が確認できた。過去に例のないパターンで心臓の筋肉が炎症を起こしており、主治医はワクチン接種が原因と推認する。

厚労省は「評価不能」と判定

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