謎に包まれた組織が薬の供給不安の一因をつくっている。
「薬がない」。こんな言葉が医療現場で当たり前のように聞かれるようになって久しい。『週刊東洋経済』の10月10日発売号(10月14日号)は「薬クライシス」を特集。供給不安の深層を製薬メーカーと薬局の両方から浮き彫りにします。
儲からない製品でも企業の判断で販売をやめることはできず、供給し続けなければならない。処方箋が必要な医薬品を取り扱う製薬企業は、通常の営利企業の感覚からすると、不思議な「呪縛」にとらわれている。そして、そうした呪縛が、ひいては薬の供給不足問題の一因となっている。
処方箋薬の販売中止の可否を決める権限を持つのは、意外にも厚生労働省ではない。日本医師会の中にある「疑義解釈委員会」という組織だ。
この組織、今のご時世では珍しく、いわゆる「ブラックボックス」。販売中止の基準や意思決定プロセスを含め、とにかく情報を開示しない謎に包まれた組織だ。それでいて「単に儲からないという理由での販売中止は認めない」という暗黙のルールを掲げ、製薬企業が容易に販売中止にできないよう縛りをかけている。
呪縛に苦しむ後発薬企業
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