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国産コロナ薬を専門医が積極的に使わない現実 真価の見極めにはデータが不十分

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緊急承認された国産コロナ薬。感染症専門医にその評価を聞いた。

新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」
塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」

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「薬がない」。こんな言葉が医療現場で当たり前のように聞かれるようになって久しい。『週刊東洋経済』の10月10日発売号(10月14日号)は「薬クライシス」を特集。供給不安の深層を製薬メーカーと薬局の両方から浮き彫りにします。
『週刊東洋経済 2023年10/14特大号(薬クライシス)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

2020年に始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミックで登場したワクチンと治療薬。その多くが国の特例承認制度を使って外資系製薬企業から導入され、国内製薬企業との創薬力の差が白日の下にさらされた。

その中で唯一、国産治療薬として登場したのが、塩野義製薬の飲み薬「ゾコーバ(エンシトレルビル)」だ。薬機法改正で創設された緊急承認制度の第1号として2022年11月に承認された。

政府は承認前の2022年3月に、100万人分購入する契約を塩野義製薬と結び、承認後の12月にはさらに100万人分の追加購入契約を締結した。

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