基地局を「AIの頭脳」へ変えるソフトバンクの挑戦 1台で20基地局制御、夜間はGPUをAI計算に転用へ

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ソフトバンクのAI-RAN「AITRAS」の装置
ソフトバンクのAI-RAN「AITRAS」の装置(筆者撮影)
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ソフトバンクが、通信技術の世界で新しい一歩を踏み出した。携帯電話基地局の制御とAI処理を同一コンピューター上で実現する新技術を開発。従来は基地局制御に専用機器が必要だったが、AI処理用の最新GPU(画像処理プロセッサー)による代替で機能を集約し、通信需要が低い夜間には同じ設備でAI処理を行う。

資料
携帯電話網の無線通信を制御する「RAN」は従来は専用装置だったが、今回の技術ではGPUを使って制御する。AI処理用のサーバーと共用できるようになるというのが技術の肝だ(筆者撮影)

「通信事業者の設備投資効率を大きく改善できる」。ソフトバンク 先端技術研究所の野崎潔氏はこの技術の意義をこう説明する。

野崎潔部長
ソフトバンク 先端技術研究所 先端無線統括部 無線システム部の野崎潔部長(筆者撮影)

基地局設備をAI処理の基盤に

「AI-RAN」と名付けられたこの技術は、基地局の無線制御(RAN:Radio Access Network)とAI処理を統合する。RANは携帯電話通信を制御するシステムで、従来は専用機器で構成されていたが、ソフトバンクはNVIDIA社の最新GPU「GH200 Grace Hopper Superchip」で代替し、1台のサーバーで20の基地局を同時制御する。

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