トヨタとNTT、5000億円規模「AI安全基盤」の中身 事故を未然に防ぐ業界共通のプラットフォーム
NTTとトヨタ自動車は、5000億円規模のモビリティAI基盤構想を共同発表した。両社は2023年10月から基盤開発に着手し、2028年にはパートナー企業との社会実装を開始、2030年以降の本格普及を目指す。
「交通事故ゼロ社会」を掲げるこの構想は、従来の自動運転技術の延長線上にはない。通信とAIを組み合わせた新たなアプローチで、モビリティ産業の変革を目指す。なぜ今、この巨額投資なのか。10月31日に実施された両社の記者会見から、その狙いと影響を探る。
三位一体で実現する新たな交通安全策
両社が描く未来図の核心は、「車」「インフラ」「人」の三位一体による新しいモビリティ社会の実現だ。現在の自動運転技術は車両単体での認識・判断に依存している。NTTとトヨタは通信とAIを組み合わせ、より包括的な安全性の確保に挑む。
交差点での出会い頭事故は、現在の自動運転技術では対応が難しい。インフラからの情報活用で死角をカバーし、事故を未然に防ぐ。高速道路での合流時はAIが他車両の動きを予測し、スムーズな合流をサポートする。気象条件や路面状況といった情報をリアルタイムで共有し、安全な運転を実現する。
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