「AI革命」をグループ全体で掲げ、アメリカの巨大IT企業にも匹敵する1兆パラメーター超の国産LLM(大規模言語モデル)の開発を目指すソフトバンク。エヌビディアから調達したGPU(画像処理半導体)を使い、大規模計算基盤の構築に邁進する。
会社を率いる宮川潤一社長は「1兆パラメーター超のLLMが世界にはすでに5つある。今追いつかないと置いていかれる」と危機感を語る。インタビュー前編では、巨費を投じてLLM構築に挑む理由、AIデータセンターの拡張計画、本業の通信事業とAIの融合をめぐる構想などを明かした(詳細はこちら)。
インタビュー後編となる本記事では、AI革命に向けた大号令を掛けるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長との関係性や、AI事業を通じて目指す会社の将来像などについて聞いた。
孫さんに「ノー」とは言われない
――日本国内で見ると、ここまで大きなリスクを取ってAIに突っ込んでいる会社はソフトバンクだけだと思います。なぜ、AIに懸けられているのでしょうか。
それはね、会社が「バカ」だから。普通に考えたら、何百億かのロス確定の事業をやるわけで、普通の経営者はやらない。もう、「必ずAIが来る」と信じ込む人たち以外はやらないと思う。
でもインターネットの歴史もそうだし、僕らはずっと業界にいて、そういう局面を本当に何度も見てきた。そういう意味で(の事業に)いちばん目利きが効く孫さんがいて、孫さんにずっと洗脳されてきた僕の意思決定としてはその方向に行く。
企業サイズもあった。数百億の赤字を垂れ流してでも勝負をかけるというと、数千億単位の利益基準がないとやりきれない。たまたまこの時代、その環境にわれわれがいた。結果は必ず出ると信じているからこそ、突き進んでいる。
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