ファンも一味違う?広島カープは"特殊な球団" 時代に合わせず「独自路線」を貫く理由とは
プロ野球チームの在り方は時代とともに変化してきたが、広島東洋カープ(以下、広島)を取り巻く環境は特殊だ。テレビ中継などをはじめ、“閉鎖的”とも言われる球団運営には批判もある。
しかし戦後の復興を球団と地元(=市民・ファン)がともに歩んできた歴史を考えれば、ある意味ではプロスポーツチームの理想型に近いのかもしれない。
勝てない時にお客さんが入らないのは当たり前
今季終盤は本拠地マツダスタジアムには空席が目立った。広島は9月を首位で迎えたが、その後は大失速で月間20敗を記録。優勝どころかAクラス入りを逃し、4位でシーズンを終えた。
優勝争いから脱落すると、明らかに客足が遠のくのが見て取れた。
「勝てない時にお客さんが入らないのは広島では当たり前。叱咤激動の意味であえて球場へ行かない人が増える。
だからといって愛が冷めたわけではなく常に気にしてくれる。やはりカープは結果を出さないといけない」(広島OB)
最近では「弱い時ほど球場で応援する」という考え方もあるが、広島では真逆の人が多いようだ。
今季は2年連続7回目となる観客動員200万人超えを果たしたが、首位争いをした時の貯金が大きかった。9月のような戦い方では大台到達はならなかったはずだ。
「(広島では)不甲斐ない戦いをお金を払ってまで球場へ見に行こう、という人は少ない。それでもカープは生活の一部でありサポートを続けてくれる。
球団もそういう姿勢は理解しており、地元との間には厚い信頼感がある」(広島関係者)