なぜカープは「非合理的な盗塁死」を繰り返したか 「伝統を重んじすぎて失敗」は企業でも存在する
「日替わり打線」は企業にもよくない結果をもたらす
前編の記事ー新井カープ「9月の悪夢」経営視点で見る根本原因 「急場しのぎ」の組織運営は遅かれ早かれ瓦解するーでは、打線の計画性のなさについて、ビジネス的な事例を交えながら考察してきたが、思えば今季のカープは、中継ぎ・抑え投手でもその場しのぎが目立った。
本来、リードしている展開で登板するべき「勝利の方程式」を担う島内颯太郎、栗林良吏が同点の場面で出てくるシーンも多かった。その結果、島内は10月1日の試合が終了した時点で勝利数が10、敗北数が6と、中継ぎ投手としてはあまり見ない責任投手回数となっている。
打順や登板するシチュエーションがコロコロ変わるように、役職や組織を頻繁に変える企業は多い。あるいは「兼務」の名のもとに、役職がどんどん追加されていくなど……。期が変わるたびに、名刺が変わる経験をした読者も多いのではないか。横山氏は次のように話す。
「企業の役職や組織が変わるのは、刷新感を出すのが狙いだ。つまり組織改革が大目的なわけだが、そのために必要な過去との決別や新たな挑戦といったビジョンが見えず、うわべだけの組織再編をするケースが非常に多い。
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