トヨタ「カローラ」が50年も売れ続ける理由 ここへ来て販売台数が急増
フィールダーは2000年8月に9代目カローラセダンと同時にデビュー。源流は1982年に4代目E70型のライトバンがマイナーチェンジしたときに初めてデビューしたカローラ・ワゴンである。パーソナルユースのレジャービークル的側面も強調されていたが、どちらかといえば、仕事にも使える「貨客兼用」ニーズを狙っての投入というイメージも強かった。
キムタクのCM起用でイメージが変わる
ただ、トヨタが先代フィールダーのテレビCMで初めて木村さんを起用してから、そんな世間のイメージも変わる。起用当時は販売現場も含めて、「なんであの国民的人気のキムタクがカローラのCMに……」と、不思議がる声が大きかったものの、「現行モデルに至るまでしつこいように起用を続けた結果、若いお客さまの中で何の抵抗もなくフィールダーを選ばれる方が目立ってきました」とトヨタ系販売店のセールスマンは言う。
「『カローラ・フィールダー』というよりは、『フィールダー』という別のクルマのようなイメージが、CM戦略のおかげで定着してきた」(トヨタ系販売店のセールスマン)。20代前半の若い女性がフィールダーを選ぶケースも珍しくないというから、フィールダーが新たなカローラユーザー層の取り込みに成功しているのは間違いないようだ。
続いては2013年の年間販売台数の推移を見てもらいたい。「なぜ2013年なのか?」と疑問が湧く人も多いかもしれないが、この年はカローラシリーズにとってエポックな年となったのだ。8月にアクシオとフィールダーにハイブリッドモデルが追加設定されたのである。
8月までは年度末決算月で新車がもっとも売れる月といわれる3月のみ1万台を超えているが、ハイブリッド車販売がフルカウントとなる9月以降はすべて1万台オーバーとなっている。2014年になってからも、3月まで1万台オーバーが続いた。
アクアでは小さいし、プリウスでは少々大きい、おまけにハッチバックだし……」と、ハイブリッド車の購入を躊躇していた消費者を「5ナンバーサイズ/セダン/カローラ」というキーワードがまさしく肩を押したといっても過言ではない。当時は2014年4月からの消費増税を控え、2013年末より高額商品ほど駆け込み需要が顕著となっていた時期。「時流にうまく乗った」ことは確かだが、それを利用しながらハイブリッド仕様を追加して新たなユーザーの取り込みに成功したのは歴然だ。
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