トヨタ「カローラ」が50年も売れ続ける理由

ここへ来て販売台数が急増

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初代カローラは新機軸を多く採用した意欲的なモデルであった

カローラのロングセラーを続ける秘密の一つが、絶えず新しい客層の取り込みに余念がないことにある。いまでこそ「年配の人向けのクルマ」など、どちらかといえば保守的なイメージが強くなっているが、初代モデルは当時ではモダンなセミファストバックスタイルを採用。シフトレバーは当時主流だったステアリングコラムから伸びた「コラムシフト」ではなく、フロアから生える「フロアシフト」のみとし、マクファーソンストラット式のフロントサスペンションを日本製乗用車で初採用するなど、「斬新なクルマ」としてデビューしている。

衝突支援回避パッケージの標準装着化

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今年のニューヨークショーに展示されていた北米仕様のカローラセダン

現行カローラでいえば、3月のマイナーチェンジによって、各種センサーや自動ブレーキなど複数の安全機能をまとめた衝突支援回避パッケージ「トヨタ・セーフティ・センスC」を一部グレード(1500cc、ハイブリッドの上級仕様)にトヨタ車で初めて標準装着化したのが、象徴的だ。

一昔前は「安全でクルマは売れない」とも言われたが、時代は変わってきている。法人営業車として、もともとニーズの多かったカローラシリーズ。それもあるのか、1500ccの廉価グレードには「トヨタセーフティセンスC」はオプション設定となっているが、法人の間では「事故抑止に効果的で保険料負担軽減に効果的」と注目しているので、現行カローラの商品力アップにはすでに効果を表しているようである。気になるのは、「オプション設定となっているグレードでは装着率があまりよくない」という販売現場からの声である。

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今年の上海モーターショーに展示されていた、中国仕様のカローラセダン

現行カローラは、若い世代の取り込みにも成功している。時折、「ボディタイプの多さで台数を稼いでいる」と業界内で揶揄されることもあるカローラだが、シリーズ内の販売内訳をみると、圧倒的に売れているのはフィールダー。たとえば今年7月はシリーズ全体の6割を占めた。これを牽引するのが、イメージキャラクターに起用されている国民的人気アイドルグループ「SMAP」の木村拓哉さんだ。言わずとしれた「キムタク」である。

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