クリスマスの新定番「1人シュトレン」浸透のなぜ 日本で独自進化し続けるシュトレンの現在地

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福岡には、パン屋の店舗とは別に通販でシュトレンのブランドを作り、通年で販売する店もあるという。東京でもたまに、「サマーシュトレン」などとしてクリスマス以外にシュトレンを販売する店を見かける。本場でないからこその自由さが、店にとってはチャンスとなり、客にとっては選ぶ楽しみにつながっているのだ。

クリスマス自体が変化している

「1人シュトレン」が広がる背景には、1人を楽しむ文化が浸透してきていることがあるだろう。中島氏は、「24歳の私の周りでも、クリスマスに1人でご飯を食べる、映画を観る、ネイルをしていたという人はけっこういます。1人で過ごしても別に寂しくない、と私自身も感じます」と話す。

バレンタインもこの10年ほどは、自分用にチョコを買う人がめずらしくなくなっているし、1人用鍋の素も1人用おせちも販売されている。クリスマスも1人で過ごすことに抵抗がない人が増えるのは、ある意味自然なのかもしれない。

1人クリスマスについては、レオパレス21が2018年時点ですでに、1人暮らしをする18~29歳の男女600人を対象に「ひとり暮らしとクリスマスに関する意識・実態調査」を実施。56.2%が同年のクリスマスを1人で過ごす予定があり、そのうち72.1%は「寂しいと思わない」と回答している。

21年前、「自由が丘スイーツフォレスト」がオープンした際は、1人用にケーキを買うのが恥ずかしい人たちが楽しめるように、と館内に買ってすぐに食べられる飲食スペースを用意していたことを考えると、時代の変化を感じずにはいられない。

世代交代が進んだことに加え、通販でも買え自宅で食べられるため人目を気にせずに済むシュトレンは、1人で楽しむ人が増加しているのではないだろうか。そして、そもそもクリスマス自体が必ずしも集まって楽しむ場でなくなりつつある。

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