ワタミの「サブウェイ買収」に見る居酒屋の"衰退" コロナを経て、飲み会はすっかり過去の文化に?
私たちは「ワタミ」といえば居酒屋を思い浮かべるかもしれないが、実はその実態を見ると「宅食サービス屋」といってもよいぐらい。もちろん、飲食業での利益はあるものの、主力が宅食事業に移りつつあるのは確かだ。
こうした居酒屋事業の縮小は、その店舗数にも表れている。
2020年3月のコロナ直前期には491店舗あった店舗は、現在、317店舗にまで減少している。4年半で、実に35%近い店舗を閉店したことになる(説明会資料より)。
また、そのうち190店舗はミライザカ・鳥メロであり、社名を冠した「和民」は2021年、コロナ禍の最中にひっそりと姿を消している。
苦難を招き、事業の多角化を進めてきたワタミ
このように、もはや宅食が事業の柱となっているわけだが、ワタミが外食事業以外を手がけるのは新しい話ではない。
「和民」1号店は1992年に笹塚に誕生。1996年には店頭公開し、2001年には海外へ出店した。一方で、外食だけに頼らない企業構造を目指すべく、2004年には介護事業、2008年には宅食事業への参入も果たした。2010年にはこれらを合わせた事業収入が、外食の売上高を超すまでに成長した。
しかし、2008年には自殺した元社員の両親がワタミに対して損害賠償を求める裁判を起こし、メディアの報道姿勢も相まって、「ブラック企業」の代表のように扱われるようになった。
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