入居申し込み殺到する"天空の廃墟"圧倒的な魅力 団地を借りたい人たちが夢見ているもの

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また、敷地内に58戸がまとまっている点も心強い。すべてが店舗などになるとは限らないが、少なくとも孤軍奮闘でないことは確か。ある程度の数が集まっていればそれだけで人が集まってくるようになるはずだ。

空間の豊かさとそれが生む緩さも魅力。車の入ってこない広い敷地内では子どもが自転車で遊んでいても、道路でお絵描きをしていても安心だし、住宅同士が離れていることもあって都市の住宅街のようにあれをしちゃいけない、これもダメなどといった厳しいルールはない。

「訪れた方からは『子どもの頃に住んでいた団地を思いだした』という声を聞きました。今、申し込みされているのは30~50代が中心ですが、彼らにとって団地はノスタルジックな存在なのかもしれません」

元々の住戸内は和室中心の、いかにも昭和の団地といったものだった(写真:エンジョイワークス提供)

賑わいすぎていない「ほどよい距離感の場所」

駅からの道のりを含め、それを不便と感じていない人も多い。現地は自然が近く、高い建物がないため、空がとても広いなど都心から1時間圏とは思えない風情だが、実際のところは坂を下りていけば駅があり、東京駅や成田空港までの直通便もある。少し南に行けば商業施設も揃っている。

都市の賑わいをうっとうしく感じ、どこか郊外に拠点を持ちたいものの、そこまで遠いところに行きたいわけではない、という人からするとほどよい距離感の場所と感じるらしいのである。

「当社の拠点である鎌倉に長く住んでいる人の中には今の鎌倉は賑わい過ぎていてここじゃない、違うという感覚をお持ちの方々がいらっしゃり、月見台はその方々にも好評です」

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