「猫は魚が好き」というイメージは誤解だった ペットフードが激しく多様化している理由
そんな日本で暮らす猫たちの嗜好や飼育環境に合わせ、ペットフード業界では、キャットフードのおいしさはもちろんのこと、栄養バランスにも優れた商品を熱心に開発している。その取り組みはいまや人間用の食品に勝るとも劣らない。
津々樂さんの勤める日本ペットフードでは、肉のみを原材料としたキャットフードは製造していないという。隠し味として肉を入れることにより、風味を肉に寄せることで猫が喜ぶキャットフードを実現しているというワケだ。
ペットの食事をおいしくするには
「ペットの食欲がなくて、なかなかご飯を食べてくれない」
そんな時にペットの食事をよりおいしくする一手間があるという。
まずは、食材を軟らかくすること。ドライフードを食べさせている場合は、缶詰などのウェットフードを少し混ぜるといいそうだ。これにより、柔らかさがプラスされて食べやすくなる。
ウェットフードをレンジなどでちょっと温めるのもオススメ。温めると匂いがたつので、嗅覚が優れている犬や猫の食欲が増進する。もともと猫や犬の目は色が鮮明に見えていないといわれ、嗅覚に頼る部分が大きいからだ。
ペットフード市場は、今や年間約2600億円の市場規模に成長している。その内容も多種多様。たとえば、昔はペット用のおやつといえば、ビスケットタイプが主流だったが、最近では“人間のおつまみ”のようなおやつが人気となっている。アイディアや趣向を凝らした商品も多い。
たとえば、「焼肉仕立て 牛カルビ風」や「黒豚入りチャーシュー仕立て」。と呼ぶ商品。見たところ、人間のおつまみとほとんど大差がない。万が一、人間が間違えて食べてしまっても大丈夫だが、ペット用なので塩分がかなり少なめに設計されているそう。犬用のケーキやすし、ビール、日本酒もあるようだ。
日本ではペット専用保険や葬儀など多種多様なサービスも登場し、いまや猫や犬を単なるペットというよりも家族の一員として、人生を送るパートナーとして飼っている人も増えてきている。子育てを終えた夫婦が、これからペットを飼い始めるという需要も期待されており、ペットフードはますます人間と同じ食品市場に近づいていきそうだ。
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