大学入試の多様化進む「一般と総合型」何が違う? 求められる「三要素」を理解しミスマッチを防ぐ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
選抜方法における評価の違い
(画像:筆者作成)

特性を理解すれば見えてくる

上記をまとめると、総合型選抜は志願者の目的意識や学習意欲を重視し、書類や面接での評価が中心。また、高度な専門分野に特化した学部では、その分野に対する志願者の適性も重視される。

これに対して一般選抜は、学力検査を基盤とするため、知識・技能の精度と量、活用を重視。他の選抜方法と異なり、志願者の学力を中心に評価が行われ、各大学の特色を反映した多面的な評価尺度が用いられる

学校推薦型選抜は総合型選抜に似ていると思われるかもしれないが、校長からの推薦に基づき、調査書や推薦書の記載内容が重要な評価材料となる点が異なる。一般選抜とは異なり、高校での学習や活動履歴を重視した多角的な評価が行われる。

こうして、整理して比較すると、それぞれの特性がはっきりとしてくる。大学が受験生になにを求めて選抜試験を行っているかがよくわかるのではないか。こうした基本的なまとめをすることで、真偽不明な「ウワサ話」に右往左往することはなくなるだろう。

次回以降は、こうした基本的な選抜試験に対する認識をもとに、「総合型選抜」を深掘りしたい。また、現行の学習指導要領から導入され、総合型選抜と相性がよいと言われる「探究学習」の在り方に関しても併せて考えていきたい。

後藤 健夫 教育ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ごとう たけお / Takeo Gotou

1961年愛知県生まれ。南山大学卒業後、学校法人河合塾に就職。独立後は、大学コンサルタントとして、有名大学などの AO 入試の開発、入試分析・設計、情報センター設立等に関与。塾・高校の進学アドバイザーも。

その後、早稲田大学法科大学院設立に参加。元・東京工科大学広報課長・入試課長。経済産業省「未来の教室」とEdTech研究会専門委員。岡山大学『教育の実質化断行と基盤体制構築による「学びの構造化」の実現』事業外部評価委員などを歴任。

現在、執筆の傍ら、大学募集広報や高校の大学進学支援、「探究学習」のカリキュラム・教材開発、授業改善、地域の教育活動の改善等にも従事。高校や大学、地方自治体での講演、ゲストスピーカー多数。

『セオリー・オブ・ナレッジ―世界が認めた「知の理論」』(ピアソンジャパン)を企画・構成・編集。探究学習について『学習マッピング』(新曜社)等に寄稿するほか、大学入試や大学・高校教育に関する記事執筆多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事