脳外科医も実践、姿勢が整う1日10回の「足首運動」 身体能力を高めたいなら意識したい「脛の筋肉」
そこから派生して、さまざまなエクササイズが生まれ、アメリカではプロスポーツ選手や音楽家、役者などの体や頭を使う人たちに人気になっているそうです。
要するに、固くなった筋肉をほぐして楽に動ける体をつくることがロルフィングの目的なのですが、言い換えれば、それはバランスの崩れた体軸をまっすぐに整えるということです。
その方法として、ロルフィングでは手技などによって緊張している筋肉を緩めるというアプローチをするわけです。
しっかりした体軸をつくるために大事なのは、脚の脛(すね)の前方にある前脛骨筋を鍛えて、坐骨まわりの筋肉を緩めることです。それによって体軸が安定すると、高い運動能力を発揮できるようになります。すなわち、潜在能力を発揮する条件が整うのです。
この足の前脛骨(ぜんけいこつ)筋が重要な競技に、スキーがあります。
硬いバーンを滑る競技スキーでは、スキーのサイドカーブに乗ってズレの少ない滑りが求められます。一方、深雪では、この前脛骨筋を使ってスキーの前半部を吊り上げて滑る必要があります。
私が指導していた湯浅直樹選手は、前脛骨筋を鍛えることでスキーの外側のエッジに乗って滑ることができるようになり、オリンピックの日本代表選手にまで成長しました。
私はスキーが得意で、昔の映像を見るとプロが滑るようなきれいなフォームでした。足首に力があったので、バランスよくスキーのエッジに乗れました。エッジに乗った状態で斜面を曲がっていたので直滑降と同じぐらいの速さで滑れたのです。
周りの人は「どうして直滑降で滑っても追いつかないんだろう」と首をひねっていましたが、その理由は前脛骨筋にありました。
寝たままできる1日10回の足首運動
前脛骨筋を鍛えると、足首が強くなります。そのため、カーブに差し掛かっても足首がずれることなくターンできるのです。この前脛骨筋の強化は、スキーだけでなく、あらゆる運動の能力をアップさせます。
前脛骨筋の鍛え方はいたって簡単です。
いすに腰かけたままでも寝たままでも構いませんから、足首を上下(前後)に動かせばいいのです。私は今、朝起きたときに寝たまま足首を10回ぐらい動かしています。それだけで前脛骨筋を鍛えることができます。
私は小さいときから相撲が強くて、中学時代にはクラスの男子全員を投げ飛ばしていました。これも足首が強くてスピードが速かったからで、面白いように技がかかりました。同じ理由でスキーもあっという間に上級者になったのです。
前脛骨筋の強化は、スポーツ全般に効果的です。
足首を鍛えたバランスのとれた体軸姿勢は、あらゆるスポーツの原点です。まず足首を鍛え、次に体幹を鍛えると、ゴルフでもすぐにうまくなります。
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