魚住:普通、いちばん聞いていなさそうな「後ろの人」に聞いてもらおうと思うわけですが、違うんですね。
昇太:そう。「一番後ろから」じゃなくて「一番前から」話しかけるようにするんです。
魚住:波みたいに後ろに「聞いてください」って空気が伝わっていくんですね。
昇太:ものすごく広い会場だと、最後まで「波」が到達しないで終わっちゃうんですけど(笑)。とりあえず、前の方に向けて話しかけていく。
スピーチは「セリフ」でなく「ストーリー」を覚える
魚住:次の質問です。
「スピーチの内容を覚えたつもりでも、頭が真っ白になって、度忘れしてしまうことがあります。落語のセリフなんか忘れてしまったら、どうされるんですか?」
昇太:これもよく聞かれますよね。これ、「セリフ」で覚えると忘れるんですよ。「セリフ」を追いかけていくと、1個出なくなると、次も出なくなる。
魚住:「セリフ」で覚えたらダメってことですね。
昇太:そう。「セリフ」じゃなくて、「全体で」「ストーリーで」覚えるんです。頭の中のイメージでいうと、ストーリーという1本の棒があって、その周りにセリフがくっついているというように。
魚住:大きな流れをまず覚えてしまうということなんですね。
昇太:そうそう。そうするとセリフがひとつ抜けても、次のセリフが頭に浮かぶわけです。
魚住:飛ばしたとしても、「ストーリー」で覚えていたら、つなげられるってことですね。そうすると一般の方がスピーチをされるときは、最初から一言一句覚えるよりも「流れを覚えておく」という。私もときどきセリフが飛ぶことがあるんですけど、スタート地点とゴール地点を決めています。
昇太:スタートを決めて、途中のおおまかな道だけは覚えておいて。
魚住:っていうことですね。
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