理論だけで「売れる組織」は絶対につくれない 左右するのは人間的な魅力だ
まさかとは、このことです。筆者は確かに、掃除に没頭するばかりに、この会社でのトラブルのことも忘れ、またこの会社の会長や社長が誰なのか、どうでもよくなっていました。
上司にどんどんと質問をする鍵さん
さて、それからが大変です。鍵さんのどうしてもという要望に応えるため、当時の上司(本部長)は、和田中学の校長に民間人からなったことで有名になった藤原和博さん。詳しく状況を説明して、最短に伺える日に一緒に伺いました。
「リクルートという会社は、リーダーがこんなことをやるなんて、どんな教育をしているのか」
普段あまり喋らない鍵さんが、藤原さんにどんどん質問されていました。
すごいのは、それからです。イエローハットから当社への仕事のすべては、筆者に任せるということになって、出入り禁止も溶け、トラブルも解消されました。そして、筆者が何度か部署が変わったり、転職したりして、提供する商品やサービスが変わる度に、すべて発注してくださり、また、ご自分で育てられた代理店の方にもご紹介頂くという徹底ぶりの付き合いが続いたのです。
なんとなくのきっかけで、筆者が致すことになったことを、鍵山さんは、徹底的に致すということでお返しくださいました。「北澤さんは、私の掃除を通じた友人です」が口癖で、そこにある種の照れは感じるものの、どんな時も決めたことは必ずやるという徹底ぶりは、すごいの一言につきます。人の器の大きさ、人間的魅力は、こういう「致す」人に宿るのだなと感じざるをえませんでした。
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