「当たり前に暮らせる」児童養護施設が目指すこと 地域に開いた実籾パークサイドハウスの挑戦

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多くの施設では50人、100人の子どもがともに暮らしているが、ここではより“普通の家”での暮らしができるように、6人が1つの家に住むことを想定し、全員に個室がある造りに。児童養護施設が36人、一時保護所が6人、子どものショートステイが6人の定員としている。

また、同じ敷地内に、高齢者のグループホームや障害のある子どもの放課後デイサービスの施設、誰でも使えるバスケットコートなどを設え、外部の人も内部の人も、幅広い年齢層が行き交う場にしたい考えだ。

実籾パークサイドハウスのイメージ図(図:福祉楽団提供)

子どもにとって「当たり前の暮らし」を

こうした施設は、ともすると、管理や安全性への配慮から、閉じた施設になってしまいがち。しかし、「さまざまな人と子どもが交じり合い、地域をゆるやかにつながっていく。そういう環境で、子どもは安心して生活できる」と飯田さんは捉えている。子どもにとって「当たり前の暮らし」を実現しようとすると、従来の施設でリスクとされてきたことをやることになるのだ。

が、理想を実現するには周囲に何もない場所ではなく、さまざまな人が暮らしている土地を探さなければならなかった。Googleマップで空き地を探し、ここと思ったところを訪れて交渉を重ねた。

4カ月の間に300件を超える物件を見て歩いたという。地域に対しても説明会を開催したり、工事を行うにも地元の業者に発注したりと、地元の理解を得る時間や労力を惜しまなかった。

出会ったのは習志野市の実籾の1850坪ほどの土地。周囲は住宅地で、公園や高校に隣接している。それと並行して、全国にある他施設の見学とヒアリングも重ね、これから作る施設にどんな要素を盛り込んでいくかの検討を重ねた。

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