丸亀製麺CM「うどん"すする音"」で炎上の世知辛さ 人気CM「永谷園のお茶づけ」は許されていたのに…

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さらに、永谷園は今年の1月~2月に「#ただいまお茶づけ中」のハッシュタグを付けて、TikTokに動画を投稿するコンテストを開催している。こちらも炎上はしていない。

食品や飲食店の広告では、「おいしそうに食べるシーン」が非常に重要で、その描き方によって売り上げが変わることも多い。一方で、飲食シーンが入る広告は、食べ方、マナーについて批判が起きることもあり、表現が行き過ぎると、逆効果になってしまうこともある。

永谷園
今年、動画投稿コンテストを行なった永谷園(画像:永谷園公式サイトより)

なぜ丸亀製麺のCMは物議を醸したのか

同じCMでも、丸亀製麺のものは永谷園とどう違うのだろう? 考えられる点としては、

1. 食べているものが麺であること
2. 放映時期が異なること
3. 出演者が女性であること

といったところだろう。

“ヌーハラ”という言葉が話題になっているから、SNSでネタにされてしまったというのも大きいように思える。

また、「作られた炎上」は数年前から見られたが、そのトレンドはここ1年くらいで加速している。

丸亀製麺のCMが2016年以前に放映されていたら、問題にはされなかっただろう。永谷園「ただいまお茶づけ中」のCMがリバイバル放映されたのと同じ2022年だったとしても、物議を醸すことはなかったのではないかと思う。

3点目についてだが、近年「性別による役割分担」は批判されやすくなっているし、性別の境界線自体が曖昧になっている。広告表現においても「男性らしさ」「女性らしさ」のステレオタイプは避けるようになってきている。

一方で、視聴者の潜在意識は容易には変わらないところもある。あからさまには言われていないが、「若い女性が音を立ててうどんを食べている」と違和感を抱いた人もいるのではないだろうか? 例えば、上戸彩さんが運動系部活の男子高校生に入れ替わったとしたら、同じような批判を集めただろうか。

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