丸亀製麺CM「うどん"すする音"」で炎上の世知辛さ 人気CM「永谷園のお茶づけ」は許されていたのに…

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たとえば、2011年のCM。家族で麻婆茄子を食べている際に、子役の杉咲花さんの手元にあるケータイの着信音が鳴る。杉咲さんがそれをちょっと確認して音を止め、食事を続けるシーンがあった。

これは、ケータイに出るよりも食べることを優先するくらい美味しい、というシーンだが、「食事中にケータイをいじるのはいかがなものか」という批判が出ていた。

中国の大学で講演をした際に、この話をしたのだが、学生は「(食事中にケータイをいじることが)なぜ批判されるのか理解できない」という反応をしていた。

「いただきます」の省略が批判材料に

2018年に竹内涼真さんがお兄さん役を務めたCMでは、「待て待て待て、いただきますしてから!」という竹内さんの言葉に対し、子どもたちが「省略」「同じく省略」と言って食事をするシーンが批判を浴びた。

批判を受けてか、このCMは、子どもたちが「いただきます」と言ってから食べる表現に修正されている。

食べる前に「いただきます」というのは素晴らしい日本文化であるし、味の素が表現を修正したのも妥当な判断であったと思う一方で、「そこまで批判する必要があったのだろうか?」とも思う。

多くの人が目にする広告は、表現に細心の配慮をすることは必要だが、ご飯くらいもう少し自由に食べられないものか――と疑問に思わざるをえない。

【写真を見る】上戸彩さんが美味しそうに「音を立てて麺をすすった」“炎上”シーン(7枚)
西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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