丸亀製麺CM「うどん"すする音"」で炎上の世知辛さ 人気CM「永谷園のお茶づけ」は許されていたのに…

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2017年には、日清食品がヌーハラ対策のための商品、麺すすり音をカモフラージュする機能が搭載されたフォーク「音彦」を、クラウドファンディングで販売することを発表している。なお、同商品の予約数は目標の5000個に届かず、商品化が見送られている。

もっとも、これは“ネタ”として企画されたものだと思うが……。

今回のCMに関するSNS上の投稿を調べてみたが、丸亀製麺のCMが“ヌーハラだ”とする声は少数派で、「これが問題にされるほうがおかしい」という意見が圧倒的に優勢だった。

やはり、これは少数意見をメディアが取り上げて、SNSユーザーがそれに乗って話題を増幅させて論争するという、いわば「作られた炎上」だったと言えるだろう。筆者はこのような「作られた炎上」について何度も記事を書いてきたのだが、特に2024年は多くの“炎上”がつくり出されてしまっている。

丸亀製麺
確かに麺をすする音はするが、一瞬のことだ(画像:丸亀製麺公式YouTubeより)
丸亀製麺
麺をすすって美味しそうな顔をする上戸さん(画像:丸亀製麺公式YouTubeより)

永谷園「ただいまお茶づけ中」のCMは許された

「音を立てて食事をするCM」で思い出させられるのが、1997年の永谷園・お茶漬け海苔の「ただいまお茶づけ中」のCMだ。

男性が、電話の音が鳴る中で、一心不乱にお茶づけを食べ続けるという、シンプルなCMだったのだが、大きな評判を生んだ。CM効果で売り上げも好調だったようだ。

このCMが放映された頃、筆者は広告会社の新入社員だったのだが、本CMの出演者がタレントではなく、広告会社の社員であったことも、業界内で話題になっていたことを記憶している。

このCMの中で、お茶漬けを食べる音は大きいのだが、当時「マナーが悪い」「不快だ」といった批判が出ていた記憶はない。

なお、このCMは「お茶づけ海苔」発売70周年を記念して、2022年にそのままリバイバル放送されている。このときも“炎上”は起きていないし、批判的な意見は少数派だったように思う。

永谷園
放映当時、話題になった永谷園のCM(画像:永谷園のプレスリリースより)
永谷園
黒電話の音がするのも特徴的だった(画像:永谷園のプレスリリースより)
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