和田秀樹が教える「60歳から頭がよくなるコツ」 話が上手な人とそうでもない人の決定的な差

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私自身の話をすると、日頃、医師としてさまざまな患者さんに接するなかで、医者は、説明が下手であると成り立たない職業だなとつくづく感じます。入り組んだ話、複雑な話も発生するなかで、それらをわかりやすく説明するのももちろんのこと、さまざまな知的レベルの方が来てくださいますから、一人ひとりに合った説明をすることが求められるわけです。そういったなかで、少しでも相手が理解しやすく話ができるよう、普段から心がけています。

難しい単語や概念を誇らしげに振りかざすのではなく、相手の理解度を丁寧に踏まえながら、わかりやすく話す。そういった高齢者こそ、品性と知性を感じさせるのではないでしょうか。

養老先生が、人間には「バカの壁」があるとおっしゃっていました。これは、話が通じないのは相手がバカだからなのではなく、人それぞれで認知の仕方が違うため、会話をした際、こちらの意図した通りには伝わらないことがあるのは仕方がないということです。そのことを前提としつつも、相手に理解してもらうための最適解を模索するということが大切なのだと思います。

話が上手な人の定義は、「まとめる力」があるかどうか

話が上手な人とそうでもない人を分ける最も重要なポイントは、得た情報や知識、自分の考えなどを「まとめる力」があるかどうかだと思います。わかりやすい話をするためには、まず自分なりにその内容を理解している必要があります。そこで重要になってくるのが、物事の大枠を理解する、つまりまとめるということなのです。

多くの学者は細かいことで議論を戦わせる傾向がありますが、大切なのはディテールではなく、要点や概略をつかむことだと思います。たとえば「仏教とキリスト教とユダヤ教とイスラム教の違い」や「仏教のなかでも、法華経と般若心経の違い」を説明したいと思ったときに、大雑把でもよいので、それぞれの全体像がわかっていれば、説明しやすくなるでしょう。

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