自分の価値に自信がない人に共通する「悪いくせ」 ほめられたときは素直に受け止めることが大切

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ただ、一方で「もっと自信を持て」と言われることもあります。自信のなさはマイナスに捉えられてしまうこともあるからです。

ビジネスはもちろん、スポーツでもそれは顕著です。サッカーの本田圭佑選手はその独特のワードセンスが人気です。自信をみなぎらせた発言はときに「ビッグマウス」とも形容されましたが、本田選手ほど実力があり、有言実行する姿は、とても輝いて見えます。やはり自信がなければ、厳しい勝負の世界で勝つことは難しいのでしょう。

そう思うと自信がなさすぎるのも考えものですが、なかなかあのメンタルは真似できるものではありません。

自信を持とうとか、素直になろうとか、自分の心や感情を変えようとしてもうまくいきません。「自分はすごいんだと思え」と言われたって無理ですよね。ですからまずは、自分の「価値」というふうに客観視して、「誰と」という他者との関係性に目を向けてみましょう。

自分を素直に価値化できる人が返すひと言

謙虚なのはいいことでも、そればかりだと謙虚ぐせがついて、どんどん自分を過小評価してしまいがちです。かといって自信満々に振る舞うのは難しいし、他人に自信過剰と思われるのも嫌です。そんなときには、フラットに自分の価値を受け止める練習をしましょう。嫌味なくそれができている人は、ほめられたときにこう返します。

「ありがとうございます」

「嬉しいです」

私はこれを聞いたときに、自分を卑下するわけでもなく、かといって自慢げでもなく、とても健全な心の持ち方だと感じました。

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自分に向けられた悪口は率直に受け入れなくてはなりませんが、ほめられたことを素直に受け止めることも、同じくらい大事なことです。

それがないと、ジョハリの窓(「自分から見た自分」と「他者から見た自分」の情報を切り分ける心理学モデルの1つ)でいう「盲点の窓(相手は知っているが、自分は気付いていない領域)」は開いていかないので、自己理解が止まってしまいます。そして自分の思い込みだけで、自分の可能性に蓋をしてしまうことにもなります。

日本人は空気を読むのが得意なので、日本の社会では波風を立てない対応が無難です。自分を下げておくというのは、まさに無難なコミュニケーションのコツです。でも、過剰に自分を下げなくても、「ありがとう」や「嬉しい」と表現することで、波風立てずに対応することができるのです。

ちょっとしたことかもしれませんが、自分に向けられた評価を頭から否定しない習慣というのはとても大事です。意識して素直に受け止める練習をしておくと、自然と自分の価値を信じられるようになるのではないでしょうか。

有山 徹 一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事

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ありやま とおる / Toru Ariyama

4designs株式会社founder、代表取締役CEO。1977年、東京都日野市出身。早稲田大学卒業。大手食品メーカー、経営コンサルティングを経て、2019年、数度のキャリアチェンジをした自らの経験を生かし、キャリア支援サービスを行う4designs株式会社を設立。同年、法政大学の田中研之輔教授とともにプロティアン・キャリア協会を設立、代表理事に就任する。
個人向け「プロティアン・キャリア戦略塾」、法人向け「プロティアン化組織変革サービス」を提供し、大手企業へのサービス導入実績も多数。

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