成績が悪い人ほど「自分はできる」と思い込む滑稽 逆に能力が高いと自分自身を「過小評価」しがち

能力や知識が低い人ほど自分自身を高く評価してしまう傾向があるという(写真:Fast&Slow/PIXTA)
「まさか私が引っかかるはずがない」は詐欺被害にあった人がよく口にするフレーズですが、マーケティング&ブランディングディレクターの橋本之克氏によれば、こうした自己に対する「過大評価」は、はるか昔から問題になっていたそうです。
そこで本稿では、どこの職場にも居がちな「なぜか仕事に自信のある人」が生まれるメカニズムを、橋本氏の著書『世界は行動経済学でできている』から、一部を抜粋・編集して解説します。
「自分に自信がある人」ほどだまされやすい
「まさか私が引っかかるはずがない」
「自分は大丈夫」
これは、詐欺被害にあった人がよく口にするフレーズだそうです。
みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、詐欺師に一番引っかかりやすいのは、「自分に自信がある人」です。
災害や事件、事故が起きたときなども、「こんなことが起きるなんて怖いね」などと言いながら、なぜか自分がその当事者になる可能性については考えません。「自分はそんな目にはあわないだろう」「自分には関係ない」と思い込んでしまうのです。
こうしたときは、自分の立ち位置を正しく認識できず、「自分から見えている自分」と「他人から見えている自分」にズレが生まれています。
自分では「それなりに賢いし他人の甘い言葉には耳を貸さないぞ」と思っていても、詐欺師からすると「チョロいカモだな」と思われていたりするわけです。
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