「光る君へ」ドラマ館、京都市内に開館しないナゼ 最終回まで2カ月「今めぐっておきたい」ゆかりの地
『どうする家康』(2023年)に至っては、徳川家康のメジャー感か、静岡県浜松市が64万314人(目標50万人)、愛知県岡崎市が63万6420人(目標70万人)で、静岡県静岡市は少ないとはいえ約28万人(目標50万人)だった(『朝日新聞デジタル』2024年2月22日配信)。
大河や朝ドラ効果の高さを大津市観光振興課のスタッフたちは実感している。とりわけ石山寺は大河効果で認知度が上がったそうだ。
京都市内に「大河ドラマ館」がない理由
大河ドラマが放送されると、ゆかりある土地にできる「大河ドラマ館」。NHKが運営しているものだと思ったら、そうではない。
今回の大津市のような自治体の観光課などが主体で動き、企画にNHKのチェックを受けたうえで衣裳や小道具や写真を借りて展示しているのだ。よく地元の施設で行われているトークショーも地元が主体で行っている。
NHKが放送するドラマの力で地元に観光客を呼び込み盛り上げる。そして地元民がNHKのドラマを見る。この相互協力の図式が長らく続いている。
今回、京都の碁盤の目の中に大河ドラマ館がないのは、共助せずとも売り手市場だからだろう。
ドラマによって盛り上がった観光地は、最終回を過ぎると自ずと勢いは落ちる。ドラマが終わってからも地域が愛されるように工夫することこそ、観光課のスタッフたちにとって大事な仕事なのだ。
大津では今回、大河ドラマ館と併設する『源氏物語 恋するもののあはれ展』を企画した。若手女性スタッフたちが中心になって進行し、『源氏物語』に登場する和歌を現代の恋と重ねてイラスト化し、展示している。
『源氏物語』を知らない人もイラストに惹かれて興味を持つ。若い観光客に好評だという。
また、京阪電車石山坂本線では、石山寺駅から坂本比叡山口駅まで、『光る君へ』のラッピング電車が2025年の1月末まで運行しているが、『光る君へ』バージョンのみならず、紫式部をイラスト化した「紫式部特別電車」も企画した。
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