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卒業後の進路、東大生の「コンサル志向」なぜ? 目指すのは大企業で一生安泰の「安定」ではない

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つまり、さまざまな業種や業界に転職後も幅広く応用可能なスキルを身に付けられる──と考えた結果といえそうだ。この志向はどのような意識や価値観によって支えられているのか。

リスク回避の意識

人生にとって安定と挑戦のどちらが重要かを聞いた設問では、49.5%が「挑戦」を選択し、「安定」(27.7%)を大きく上回った。

また、メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用のどちらが自分に好ましいと思うか聞いた設問では過半が「ジョブ型が好ましい」(55.6%)と回答した。衛藤さんはこうしたアンケート分析から見えてきたのは、東大生の「新たなリスク回避」意識だと指摘する。

「多くの東大生が目指すのは、同じ大企業で一生安泰という意味での『安定』ではなく、ジョブ型雇用における『新たな安定』です」

メンバーシップ型が中心だった日本の雇用慣行にジョブ型が浸透しており、東大生はこの変化を敏感に察知している。

これまでの日系大企業的メンバーシップ型雇用のもとでは、ベースとなる給与・待遇が年功序列で決まり、その個人差は大きくなかった。

一方、ジョブ型雇用ではベースとなる給与・待遇は年功序列で決まらず、能力や技能で決まる。個人差も必然的に大きくなる。

その中でより良い待遇を得るためには、個人としてリスクをとって挑戦するしかない、というわけだ。衛藤さんは言う。

「伝統的な日本企業ではその挑戦が難しく、忌避感を覚えていることの裏返しとして、外資系を含む『コンサル志向』が顕在化した、といえるのではないでしょうか」

衛藤さん自身、マスコミ業界に興味はあったものの、結局大手マスコミは就職の選択肢に入れなかった。その理由はこうだ。

「自分がやりたいことをやるには大手マスコミは組織が大きすぎると考えました」

現在所属するJX通信社は、AIやビッグデータを活用し、報道向けのデータ収集を行うベンチャー企業。衛藤さんは都民ファーストが躍進した17年の都議選で、JX 通信社の情勢予測が的中したのを機に同社に興味を抱き、東京大学3年生のときにインターンに応募。

同大学院進学後、21年1月に入社し、データアナリストとしてのスキルを磨いてきた。

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