「とにかく質推し」だったセブンを変えた切実背景 国内コンビニ大手の中で「一人負け」…打開策は
その1つが不採算事業の切り離しです。イトーヨーカ堂をはじめとするスーパーストア事業は売上高が1兆円を超えている一方、事業内には赤字を出している会社も多く、グループの足を引っ張っているといわれています。
それらの赤字会社をグループの子会社から外せば、まず数字上の見た目をキレイにできます。そしてやはり、井阪隆一社長や経営陣の時間と思考を、よりコンビニ事業に集中させることができるようになります。投資、お金の面でも同様ですね。
その点を明確にして、「買収提案(で提示された額)より高い株主価値を、独自路線で実現できるんだ」と株式市場に示す目的がありそうです。
「値段がちょっと高い」という印象
――国内のコンビニ事業の現状は?
足元はかなり苦しい状況です。国内については店舗数がここ数年伸び悩んでいますし、中長期的に考えても、10年前のような出店によるシェア拡大は今後ほとんど見込めないでしょう。
それに加えて、国内のセブンーイレブンは長らく、「品質はいいけど値段がちょっと高いよね」という印象を多くの消費者に与えてきた面があると思います。それが今、インフレという長らく日本経済の直面して来なかった状況下で数字にも如実に表れるようになり、ファミリーマートやローソンが(売り上げを)伸ばす中、セブンは苦戦しています。
お客さんから敬遠されていることには経営陣も課題を感じているようです。ここをどう乗り越えられるかというのがセブンーイレブン・ジャパンとしては課題ですね。
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