一度洗ってみたあとの状態をみると、汚れは残っているものの薄くなっています。
皆さんはこの状態を見て「落ちていない」と判断する人が多いのですが、そうではないのです。落ちていないのではなくて、少し落ちた=この洗い方は効果があり、“一度の洗濯で落ちるぶんの汚れが落ちた”と僕らは考えます。
逆に、一度に汚れを落とそうとして、闇雲にさまざまな汚れ落としの方法を試す人もいますが、それは効果がうまく出なかったり、洋服を傷めてしまったりするなど、リスクの高い方法を取っていることも少なくありません。
僕らのような洗濯のプロでも、一撃必殺で汚れを落とすことは結構難しいです。処置した方法に対して結果がどうだったかを見ながら、次の汚れの落とし方を考える。そうやって何度か洗い直しをするということは、プロでも普通にしています。
ですので、このTシャツも次の洗濯のタイミングでもう一度洗ってみました。するとすこーし薄くなったもののあまり変化がなく、やはり黄色い色素が残っています。
意外と知らない「正しい漂白剤の使い方」
ここで、洗剤で落とせる汚れの限界と判断し、初めて漂白剤の使用を検討しました。酸素系の漂白剤を40℃程度のお湯に溶かし、30分程度付け置きします。
追加の作業:約40℃のお湯に溶かした酸素系漂白剤で約30分付け置き
漂白剤は、洗剤では落ちない色素汚れに対して使うものです。そのため、「洗剤で落とせる汚れをしっかり落とす」→「それでも残った色素に漂白剤を使う」という使い方が基本となります。
要するに、漂白剤は毎回の洗濯で使う必要はなく、必要なときにだけ使うのが正解なのです。多くの人は漂白剤を多用しすぎです。漂白剤をなんとなくやみくもに使うので、色落ちや変色といったトラブルが起こってしまうのです。
また、「漂白剤で付け込んでから洗濯する」という使い方をする人も最近はよく見かけますが、本来の使い方と逆です。
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